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  稲田さん 

稲田 秀樹 (いなだ ひでき) さん
           


           失われない「思い出」を大切にしたい

「人の記憶には、障害されやすい記憶と障害されにくい記憶があるんです。認知症の方たちは何でも忘れてしまうのではなくて、昔の体験や、体を使った動作の記憶は失われないことが多いのです。ですから、この方たちの失われない思い出を大切に生かしながら、この素敵な街で二つの事業に取り組んでいます」。
稲田秀樹さんは、今泉台で、認知症の方のためのデイサービス「ケアサロンさくら」及び地域活動を行なうデイサービス「ワーキングデイわかば」を開設し、認知症の方の「できる力」「活動」「参加」に着目して事業を展開している。

二つの施設「ケアサロンさくら」と「ワーキングデイわかば」は、今泉台の北鎌倉台商店街にある。稲田さんは2000年から鎌倉市にある介護施設の管理者としての仕事に就いていた。鎌倉市の認知症フォーラムで「今泉台すけっと会」の代表との出会いがあり、今泉台で是非デイサービスをやって欲しいとの申し出を受け、空き店舗を借りて2011年に「ケアサロンさくら」を開設した。次いで、2016年には隣の空き店舗で地域活動を行なうデイサービス「ワーキングデイわかば」を開設した。これらの隣り合う二つのデイサービスは、どちらもガラス越しに中が見える開放的な空間となっているのが特徴だ。

ケアサロンさくらの開設準備は、地域住民との協働で進められた。その中で、専門的な知識を持ち、建物の改修工事のプランニングの段階で中心的な役割を果たした方は、一級建築士の住民で認知症の方だった。その方は自ら認知症であることをためらわず語っていた。この方の活躍を目の当たりにしてから、稲田さんの中に「地域貢献活動を行なうワーキングデイ」のイメージがふくらみ、ワーキングデイわかばの開設に至る。

稲田さんは認知症のメンバーと共に近くの吉ガ沢公園に出かけ、遊具を拭き、雑草を刈り、落ち葉を掃いた。公園に新たに花壇を作ることが決まると、認知症の人とともに花壇整備のプランを立てた。花壇が出来上がると、花壇の管理も認知症のメンバーたちの役割になった。デイサービスのメンバーと住民とが協力して花壇に花を植えたりした。
他にも、商店街の花壇や舗道の清掃、高齢者宅の草刈り、デイサービスの昼食の調理手伝いや配膳、お茶出し、書類の封筒入れなどの活動も行なっている。また、手芸や陶芸などの作品作りにも力を入れ、地域のイベントなどで販売もする。これらの活動はメンバーの「失われない記憶」が基本となっている。

稲田さんは「認知症になり、日々の出来事を覚えられなくても、すてきな人生経験の記憶をもつ方が多いです。メンバーの方々の特技とも言える記憶を大切にしていきたいです。また、清掃などの作業中には住民に声をかけられることも多く、交流が生まれ、それがメンバーの意欲の向上につながっています。このような活動の結果として、心と身体の健康が維持され、認知症の進行防止の効果も表れています」と語る。

「ケアサロンさくら」は2018年に神奈川県より「優良介護サービス事業所 かながわ認証」を授与されている。また、稲田さんにはデイサービスについての著書もあり、鎌倉市内で認知症を支援する団体の代表も務めていて、講演活動も行なっている。今泉台の住人ではないが、地域の子供、親、高齢者や認知症の人も含めた多世代の人々を結びつけるボランティア・グループ「今泉台オレンジライン」にも参加している。
稲田さんは、東京の出身で、若い頃から文学青年であり、小説を書いていた時期もあるそうだ。
 
                         (2018年12月 文責:山田)










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